創立25周年特別企画
コラム


Episode3

15件目のユーザーは五の橋キッズクリニック

医療機関を様々な角度からランク付けした初の医療機関ランキング本「患者が決めたいい病院(全1502病院を100点満点でランキング)」(オリコン・メディカル社)2003年に発行されたこの本で、すべてのランキングにおいて堂々1位となった小児科、それが五の橋キッズクリニック(東京都江東区)です。

その数年前、当社が出展したホスピタルショウの出展社紹介冊子がきっかけで院長の水沢傭一先生からご連絡をいただきました。当時すでに大人気で、開院とともに待合室は満員、続々と患者が押し寄せ、昼休憩もほとんど取らずに診療する下町の熊さん先生でした。患者が多いことは喜ばしいことと思いながらも、ご自身やスタッフの疲労は激しく、患者の待ち時間は長いという典型的な開業医院でした。当社の考え方にご賛同いただき、タッチパネルとウェブを使った診療予約をスタートすることになりました。開始初日は9:00に予約をスタートしましたが、9:00:07には午前中の50人分の予約が終了するという異例のスピードでした。その後は、9:01にアクセスしても繋がらない日々が続きました。日本テレビの人気番組、まだ初期の頃の「情熱大陸」が水沢先生を取り上げたことで、更に患者の増加は加速します。その頃には当社の代表と水沢先生は懇意になり、先生にとって苦手であった医院経営の部分をサポートし、会計や人事にいたるまでコンサルティングを任されるようになりました。当社の推奨する予約システムを武器とした新しいクリニックの経営プランをご採用いただき、野戦病院のようだったクリニックの患者動線を徐々に整理し、朝の直接来院者を徐々に減らし、ウェブ予約へと誘い、医療機関の経営方法についての改革を行っていきました。医療機関には様々な業者が出入りしています。中にはハイエナのように様々な契約をとりつけようとする業者もいます。そのあたりの窓口はすべて当社が行い整理整頓していきました。毎年の決算業務はそのやり方によって医療機関の評価が大きく変わります。数年の決算書の内容から判断し契約していた税理士を解約、腕の良い会計士を組み込みました。最終的には水沢院長から「僕は医療に専念したいのですべての経営を任せたい」とのお言葉をいただくまでの関係になり、契約スタートから5年間で、当初の年商1億7000万も3億4000万までになりました。先生も適度に休暇と報酬をとり、スタッフにとっても働きやすい環境の中で、患者さんも喜ぶ医院へと着々とプロジェクトは進んでいきました。そんな中、2診体制を作り院内のレイアウトを変更する話が出ました。今から8年前のことです。ゴールデンウィーク中に内装工事を行い、かねてから先生のリクエストであった自動ドアの設置工事(テナントのドアの作りが鉄の防火扉で重かったため)も無事に終わった5月4日でした。

ご家族と訪れた沖縄で趣味のダイビングを楽しまれていた水沢先生が水難事故で急死されたのです。49歳の若さでした。あっという間の出来事でした。先生とつい前週まで語り合った次の事業プランも一瞬で終わりを迎えました。よく、オリヴァーは本当に詳しいよね、他社とは全く違うね。とお褒めをいただくことがあります。それもそのはず、当社は単なるシステム制作会社ではなく、小児科の経営に何年も深く関わってきたのです。残念ながら五の橋キッズクリニックは惜しまれつつも絶頂期で閉院してしまいましたが、先生と苦労を乗り越え共に歩んだ中で掴んだノウハウは今も確実に生きています。現在も複数クリニックの経営サポートを行っています。医療機関にとって何が必要でどうすれば成功するのかを持っているオリヴァー、そこから生まれてきた予約システム「主治医ドットコム」。26年の背景は全く違うのです。

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