はせがわこどもクリニック
先天性風疹症候群児発生の撲滅を目指して、「風疹第5期定期接種」が始まります。当院でもこの定期接種を受託することとしました。今日子供たちはしっかり予防接種を受けているのでほとんど風疹に罹患しませんが、成人の間で流行が繰り返され、妊婦さんが罹患することによって先天性風疹症候群のお子さんが生まれる事態が繰り返されています。このため、ワクチン接種の機会が無く抗体(免疫)保有率の低い世代の男性に対して、3年間の時限措置として国が予防接種を行うものです。一方、横浜市では既に独自の施策として「横浜市風疹対策事業」があり、これも並行して実施されます。どちらの制度も利用できる方がいらっしゃると思います。どちらの制度を利用するにしても、事前に受付までご一報ください。制度の違いについて以下に解説いたします。

対象と期間
風疹第5期
 1962年4月2日〜1979年4月1日生まれの男性を対象とし、全国で2022年3月31日まで実施する。除外規定はないが、市区町村発行のクーポンが必要。
横浜市風疹対策
 この事業を利用したことがない19歳以上の横浜市民で、
1 妊娠を希望されている女性(妊娠中は接種不可)
2 妊娠を希望されている女性のパートナー(婚姻関係は問わない)
3 妊婦のパートナー(婚姻関係は問わない)
ただし、麻しん風しん混合(MR)ワクチン又は風しん単独ワクチンの接種歴が2回以上ある場合は対象とならない。期間は年度ごとに更新されている。

実施医療機関
風疹第5期
 受託医療機関であれば、全国どこでも可。
横浜市風疹対策
 横浜市内の受託医療機関。

ワクチン接種に先立つ抗体検査について
風疹第5期
 接種前の検査が必要(無料)。平成26年度以降に本制度を利用せず行った検査で抗体価が規定以下の場合、検査せずに接種できるが、検査機関で使用した検査キット・結果を証明するものが必要。要接種となる抗体価は横浜市風疹対策事業より低め(厳しめ)に設定されている。
横浜市風疹対策
 無料でできるが必須ではない(検査せずにワクチン接種できる)。また、要接種とされる抗体価も風疹第5期より高い(緩い)。

ワクチンと費用
風疹第5期
 無料・原則MR(麻疹風疹混合)ワクチン
横浜市風疹対策
 3千円・MRワクチン

備考
・横浜市風疹対策では過去に2回のワクチン接種歴があれば抗体検査もできませんが、風疹5期ではワクチン接種歴・風疹罹患歴にかかわらず抗体検査はできます。
・風疹5期では住民票のある自治体が発行するクーポンが必要ですが、受診票に記入していただく住所とクーポン記載の住所が一致しないと検査・接種ができません。
・風疹第5期のクーポンは、初年度は1972年4月2日〜1979年4月1日生まれの方にしか送付されません。対象にならない方でお急ぎの方は、住民票のある市区町村にクーポンの発行を求めることができます。
・風疹第5期のクーポンの有効期限は各年度末に設定されます。混乱を避けるため、年度末ぎりぎりでのご利用はできるだけお控えください。
・横浜市風疹対策では検査せずにワクチン接種できるため、ワクチン接種の申し込みをしていただければ当日接種して終了となります。一方、風疹第5期では@検査A検査結果説明・ワクチン予約Bワクチン接種と3日間必要です。


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