竹内小児科医院
 B型肝炎ワクチンについて

 現在、B型肝炎は2種類のワクチンを使用しています。
 ビームゲンには水銀系の化合物であるチメロサールが入っていますが、ヘプタバックスには含まれていません。
 ビームゲンには大人量0.5ml入りと、小児量0.25ml入りがありますが、ヘプタバックスには0.5ml入りのものしかありません。

 「B型肝炎ワクチンのおすすめ」H25年11月

 最近、B型肝炎ワクチンを希望する方が増えてきました。
 日本では、B型肝炎ウイルスを持つ(キャリア)母親から生まれた児に対してのみワクチンが接種され(昭和60年(1985年)からの母子感染予防事業)、一定の効果をおさめてきましたが、近年、20〜30才代で性感染によるB型肝炎が増加しており、また保育園での集団感染、父親からの父子感染、格闘技に伴う感染など、幅広く感染する危険があることがわかってきました。(昔は輸血や汚染した針などによる感染が主たるものでした。)
 B型肝炎ウイルスに感染すると、成人では10%に人がキャリアや慢性肝炎となり(子どもではもっと効率)、その一部は肝硬変、肝癌に進行し、またまれに激症肝炎で命を失う人もいて恐れられてきましたが、90%の人は自然に治ると考えてきました。しかし最近、自然に治ったと思われた人が、老化や他の病気にかかることをきっかけに、再び肝炎をおこしたり、肝癌がみつかったり、一度感染したウイルスは決して死滅する訳ではないらしいことが明らかになりつつあります。
 このような状況から、ワクチンの希望者が増え、産科や小児科でもワクチンを勧めるようになってきました。現在の日本では、任意接種として希望者のみ自費で受けていますが、日本以外の国では何十年も前から公費による定期接種を行っています。最近になって日本でもやっと、このワクチンを全ての子に公費で受けさせる動きが出てきました。しかし定期化を待つことなくワクチンを受けることをおすすめします。受けることによって定期化も早まります。

 ワクチンの特徴

1、安全性は高く副反応はほとんどなし。(28年前からの母子感染予防事業で明らか)
2、有効性は0才代での不成功率(ワクチンがつかない率)が数%。(成人では20%)抗体の持続は10〜15年だが、実際の有効性はもっと長く続くと考えられる。
3、0才代に行う。(最も成功率が高い)0才代で保育園に入れるなら2ヶ月から行う。他の年令でもいつでも接種可能。
4、接種法は3回接種(2回目1ヶ月後、3回目は6ヵ月後)、皮下注射。
5、ワクチンは2種類(ビームゲン、ヘプタバックス)あり、効果は同等。当院では両方を使用。
6、他のワクチンとの同時接種も可能。
7、接種費用は、4600円/回×3回で13800円。(小児量0.25ml)
        5000円/回×3回で15000円。(大人量0.5ml)  
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